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財務諸表とは

財務諸表の意義

 財務諸表とは、企業の外部の利害関係者(株主等)に対して、企業に投下された資金の調達源泉とその資金を利用して経営活動した成果と現在の財産の状態を明らかにするために作成される書類。
 建設業者は建設業許可申請や各事業年度終了後の決算変更届、経営事項審査の際、国土交通省令様式により作成された財務諸表を添付することとされています。

企業会計原則と税法

 「企業会計原則」は、必ずしも法令によって強制されるものではありませんが、全ての企業がその会計を処理するに当たって従わなければならない基準であるとされていて、税法においても「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものとする」(法人税法第22条第4項)と規定され、会社法と同様に、原則として「企業会計原則」に準拠する旨の内容となっています。

会社法とは

 会社を取り巻く利害関係者に対し、企業の経理内容の公正な報告、利害関係者相互の利益の保護、配当可能利益の厳密な算定によって、債権者と株主との利害の調整を図ることを目的として定められたもの。

会社法に準拠した財務諸表の「各事業年度に係る計算書類」

  • 貸借対照表
  • 損益計算書(以上、会社法435条)
  • 株主資本等変動計算書
  • 個別注記表(以上、会社計算規則91条)

が挙げられており、連結財務諸表として、

  • 連結貸借対照表
  • 連結損益計算書
  • 連結株主資本等変動計算書
  • 連結注記表

が挙げられています。

株主資本等変動計算書について

 株主資本等変動計算書は、貸借対照表の純資産の部について、1事業年度間の変動事由をすべて記載。
なお、純資産の部に含まれる各勘定科目について、以下の構成になっています。

  • 期首の金額、
  • 期中変動、
  • 期末の金額

資本や利益の処分については、それがいつ行われようが、すべて株主資本等変動計算書に記載されることになりました。

企業会計と税法

 法人税も課税所得の計算に当たっては、「一般に公正妥当と認められる会計処理軒順に従って計算されるものとする」と定めています。法人税法における課税所得は租税負担の公平性、社会的公平性の確保を主に目的としています。

「確定決算主義」とは

 確定決算主義とは、税務申告書は決算後に行われる株主総会によって承認された(確定した)決算書に基づいて作成されなければならないとする税務上の原則。 これは、確定した決算に基づいた利益を基礎として、これに税法所要の調整を加え、誘導的に課税所得を算出しようとするものです。
 「確定決算主義」が目的とするところは、会計処理に対して一定の規制を設ける事で、企業の主観が強く働かないようにというところにあります。

建設業者の財務諸表

 建設業会計では、一般の勘定科目と異なり、建設業に特有な勘定科目が使用されることが挙げられます。その主な勘定科目としては、貸借対照表における「完成工事未収入金」(=売掛金に相当)、「未成工事支出金」(=仕掛品に相当)、「工事未払金」(=買掛金、未払金に相当)、「未成工事受入金」(=前受金に相当)、損益計算書における「完成工事高」(=売上高に相当)などが挙げられます。
 また、原価の算定に必要な「労務費」についても、一般の業種とは違い、建設業法施行規則による勘定科目分類で「工事に(直接)従事した直接雇用の作業員に対する賃金、給与および手当等」と規定しています。従って、工事に間接的に従事する現場監督や常用作業員などの人件費は(工事原価)経費で処理することになります。

税務申告書に添付される決算報告書

 実務上、納税目的のために作成される「確定決算書」は、課税所得の算出が主な目的であり、「企業会計原則や「会社計算規則」を厳密に守らない場合があります。税法上は支障が生じることはありませんが、経営事項審査の確認書類として「確定決算書」が用いられる事が多いので、経営事項審査の客観性、公平性の確保に問題がないとはいえません。

 

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