完成工事原価とは
完成工事原価とは
- 工事原価のうち損益計算書の完成工事高に計上された工事に対する工事の原価。
- 完成工事原価を表示することで、完成工事純利益(いわゆる粗利)が明らかになる。
- 完成工事原価報告書は、材料費、労務費、外注費および経費の4要素に区分して表示。
- 原価計算の実践規範とされているのは、「原価計算基準」。
原価計算の5つの目的
①財務諸表作成目的
企業の出資者、債権者、経営者等のために、過去の一定期間における損益ならびに期末における財政状態を財務諸表に表示するために必要な真実の原価を集計すること
②価格計算目的
価格計算に必要な原価資料を提供すること
③原価管理目的
経営管理者の各階層に対して、原価管理に必要な原価資料を提供すること
④予算管理目的
予算の編成ならびに予算統制のために必要な原価資料を提供すること
⑤経営の基本計画を設定するにあたり、これに必要な原価情報を提供すること
原価計算の種類
個別原価計算
建設業は基本的に個々の工事について個別的に直接費および間接費を集計する個別原価計算を採用
総合原価計算
中小の建設企業では実務上、総合原価計算の簡略型(変形)である商的工業簿記の方法を採用していることが多い
工事原価
工事の施工に直接必要とされる発生費用(直接費および間接費)の額をいい、
- 完成工事原価→当期の損益計算書に計上されるもの
- 未成工事支出金→翌期に繰り越されるもの
とに分けられます。
販売費および一般管理費
営業活動に伴う費用で、工事の施工とは直接関係がない発生費用の額をいいます。
非原価項目
支払利息割引料などの営業外費用や未稼働の固定資産などの減価償却費、租税などの費用、異常な状態を原因とする費用の額などを非原価項目といい、完成工事原価および販売費および一般管理費には算入されません。